MENU

「前日は流動食だけ」と言われた夜、牛乳も粉も使わず野菜だけで心が落ち着いたポタージュの話

ポタージュを飲む女性
  • URLをコピーしました!
目次

ちゃんとできなかった私が、油もバターも入れずに作った“噛まなくていい”やさしいポタージュ

ポタージュ

朝、キッチンの窓がうっすら曇っていました。
冬の空気って、透明なのに、どこか「言い訳」を許してくれない感じがする。
薄いグレーの光がシンクに落ちて、昨日洗い忘れたカップの輪っかだけが、やけにくっきり見えていました。

「前日の食事は流動食だけにして下さい。」

スマホ画面のその一文を、私は何回も読み直しました。
言われた通りにしたい気持ちと、言われた通りにできない自分をもう見たくない気持ちが、同じ皿にのっているみたいで。
…そういえば、私は昔から「ちゃんとしよう」と思った日のほうが、うまくいかない。

昨日もそうでした。
夜、帰ってきた私は、野菜を茹でて、スープにして、丁寧に過ごすはずだった。
だけど、冷蔵庫を開けた瞬間、妙に疲れが押し寄せてきて、何もかも面倒になって、結局コンビニで買った甘い飲み物を飲みながらソファに沈んだ。

あぁ、やってしまった。
「前日だけは…」って思っていたのに。

そこで私は、いちばん嫌な癖を発動させる。
反省じゃなくて、自己嫌悪。
次にやるべきことを考えるんじゃなくて、「私はダメ」のほうへ転がっていく。
たぶん私は、正解より先に“自分を罰する言葉”を探してしまう。

今日の流動食は、身体のための指示なのに。
頭の中では、生活の採点みたいになっている。

それが、ちょっと悔しかった。



失敗の朝に、ポタージュだけは作れた

「流動食だけ」と言われた日の私が頼れるものって、意外と少ないです。
噛む行為がないと、心が置いていかれる。
でも、ちゃんとした“食事感”が欲しい。
温かいものを、口に含んで、少しだけ落ち着きたい。

そこで作ったのが、牛乳もバターも油も粉類も使わない、野菜だけでとろみを出すポタージュでした。
レシピを探した…というより、私は今日、自分の機嫌をほどく道具がほしかっただけなのかもしれません。

材料を切って、鍋に入れて、火をつける。
それだけのことが、今日はなぜか「私はまだやり直せる」に見えました。
昨日の自分を否定する代わりに、今日の一口を丁寧にする。
そういう方向転換が、私には必要だったんだと思う。

そしてこれ、離乳食にも、ダイエット食にもなるやつです。
どっちにしても、やさしい。
噛まない日って、心もやわらかくなりたがってる気がするから。

牛乳・バター・油・粉なし。野菜の“自然のとろみ”で作るポタージュ

ポイントは「でんぷんのある野菜」を主役にすること。
じゃがいも、かぼちゃ、さつまいも、玉ねぎ。
これだけで、驚くほどちゃんと“ポタージュっぽい”とろみが出ます。

(基本の作り方:1〜2人分)

  • 主役の野菜:じゃがいも中1個(または かぼちゃ150g/さつまいも100〜150g)
  • 玉ねぎ:1/4〜1/2個(甘み担当)
  • にんじん:少し(色が欲しいとき。なくてもOK)
  • 水:野菜がひたひたになるくらい
  • 塩:ひとつまみ〜(体調や指示に合わせて調整)

手順

  1. 野菜を小さめに切る(早く柔らかくなる)
  2. 鍋に野菜と水を入れて、弱めの中火。沸いたら弱火でコトコト
  3. 竹串がスッと入るくらいまで煮る
  4. 火を止めて、粗熱が少し取れたらブレンダーやミキサーで撹拌
  5. とろみが強ければ水を少し足す。薄ければもう少し煮詰める
  6. 最後に塩をほんの少し(入れなくても成立します)

なめらかにするコツ(粉なしで)

  • じゃがいもを入れるなら、煮る時間をしっかり(でんぷんがほどけて自然にとろむ)
  • ミキサーがない日は、マッシャーでつぶしてから混ぜるだけでもOK
  • “こしたい日”は、目の細かいザルで一度こす(離乳食にも向く)

今日の私のアレンジ(気分で変えていいやつ)

  • かぼちゃの日:甘いのに罪悪感が少ない
  • じゃがいもの日:いちばん「ちゃんと食べた感」が出る
  • 玉ねぎ多めの日:泣きたい日にちょうどいい甘さになる

レシピって、完成形があるようで、実はその日の心に合わせて揺れるものだなって思いました。
“正しい分量”より、“今日はどのやさしさが欲しいか”のほうが、私には大事だった。



ちゃんとするためじゃなく、怖さをなだめるために

ポタージュ

ポタージュを作っている間、私は不思議と「昨日」を責めませんでした。
包丁を握っているときだけ、脳内の裁判が静かになる。
昨日はうまくいかなかった。
でも、今日の鍋の中では、野菜がちゃんと柔らかくなっていく。
それを見ていると、「人間も、あれくらいゆっくり柔らかくなれたらいいのに」と思う。

流動食って、体の都合で決まるものなのに。
私の中ではいつも、心の都合が勝手に反応する。

「ちゃんと守れなかったらどうしよう」
「また私だけ、できない側になるんじゃないか」
「頑張ってるのに、報われない感じがしたら嫌だ」

そういう怖さが、すぐ口を出してくる。

たぶん私は、食事そのものより、
“指示に従える私でいたい”って気持ちに引っ張られていたんだと思います。
誰に褒められるわけでもないのに。
守れたら点数がもらえるわけでもないのに。

それでも、守れないと、自分が崩れる。

だから今日は、ポタージュにしました。
守るためじゃなくて、崩れないために。

温かいものが喉を通るとき、
体の中のどこかが「大丈夫だよ」って言ってくれる気がする。
根拠なんてないのに、ああいう感覚って、ちゃんと効く。

でもね、ここでまた、私のいやらしい癖が出てくる。
「作れた私、えらい」って思った直後に、
「…昨日できなかったのに?」って、すぐに釘を刺す声が出る。

褒めても、刺す。
進んでも、戻す。
私は、いつも自分の肩をトントンした次の瞬間に、同じ手で押し返してしまう。

それが、今日の“うまくいかなかったこと”かもしれません。
流動食が守れたかどうかじゃなくて、
自分の扱い方が、また少し不器用だったこと。

…でも、ここで答えを出し切りたくない。
「自分を大切にしよう」ってまとめると、たぶん明日また空回りする。
私には、正解の旗を立てるより、揺れたまま持って帰れる言葉のほうが必要だ。

今日の私は、ポタージュを作れた。
でも、心の中ではまだ少し、ぐらぐらしてる。
その両方が、たぶん本当。

最後の一口を飲み干した鍋の底に、うっすら残ったオレンジ色。
洗う前のその色を見ながら、私は思いました。

「ちゃんとできた日」って、
成功のことじゃなくて、
自分を責めないまま終われた日のことなのかもしれない。

…でも、今日はまだそこまで行けてない。
それでも、温かかった。
その事実だけを、小さく置いておこうと思います。

誰にも見せていない思考って、
派手に変われない代わりに、
こういう小さな方向転換だけは、ちゃんと覚えている。

今日の私が覚えていたのは、
「液体でも、心は満たせる」ってこと。

そしてたぶん、満たしたいのは、体じゃなくて、
“うまくいかなかった自分”のほうだった。

…ねぇ、明日はどんな味が欲しくなるんだろう。

そう考えながら、私はキッチンの窓の曇りを指でなぞって、
外の薄い光を、少しだけ自分の側に引き寄せました。


【ナチュラルグレース】無添加“食べる主食洋風スープ 忙しい朝に簡単栄養チャージ!朝食スープ 管理栄養士監修 野菜を楽しむスープ食 パーソナルスムージーならGREEN SPOON!
ポタージュを飲む女性

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次