夜の洗面所でふと見てしまった「結婚式ムービー割引」の通知が静かに刺さる夜の話

夜の洗面所で、歯ブラシをくわえたままスマホを見ていたら、画面の明るさだけがやけに白くて、鏡に映った自分の顔がちょっと他人みたいに見えました。
仕事終わりの髪は少しぺたんとしていて、リップもほぼ消えていて、部屋着の袖にはたぶん朝のコーヒーの跡。
「いや、今日も生活感すごいな」
ひとりで小さく言って、口の中がミントでスースーしているのに、心だけはなんとなくぬるいまま。
そんなタイミングで、ナナイロウェディングのGW直前セールのお知らせを見てしまって、プロフィールムービーとか、オープニングムービーとか、エンドロールとか、そんな言葉が並んでいるだけで、なぜか胸の奥が少しだけ静かになりました。
結婚式って、まだ自分の予定表には書かれていないのに、どうしてこんなに具体的な匂いがするんだろう。
土曜日の朝、洗濯機を回しながら、冷蔵庫の前でヨーグルトを立ったまま食べている時に、友達から「式場の打ち合わせ行ってくる〜」ってLINEが来ることがあります。
「いってらっしゃい!楽しんできてね〜♡」
そう返しながら、スプーンについたヨーグルトをぺろっとして、すぐに洗わずシンクに置く。
この小さなズボラ、誰にも見せたくないのに、なぜかこういう日に限って自分でちゃんと見てしまうんですよね。
人の幸せを喜びたい気持ちは本当にあるし、写真が送られてきたら「かわいい!」って声も出る。
でも、そのあとスマホを伏せた瞬間に、ほんの少しだけ、何とも言えない置いていかれた感じが胸に残ることがあって。
「私、今なに顔してた?」
って、自分にツッコミを入れるけど、鏡を見る勇気はない。
婚活アプリを開いて、メッセージの返信を考えて、でも文章がやけに業務連絡みたいになって、消して、また書いて、最後は「お仕事お疲れさまです☺️」で逃げる夜。
あるあるすぎて笑えるけど、その笑い方が少しだけ乾いている日もあります。
ナナイロウェディングのキャンペーンは、2026年4月25日(土)0:00から4月26日(日)23:59までの2日間で、ご注文合計金額から5,000円OFF、さらに上映用データの無料プレゼントがある内容でした。クーポンコードは「all5000mp4」。セット割引との併用で、最大21,380円お得になるそうです。
こういう数字を見ると、妙に現実が近くなります。
結婚式って、ふわっとした幸せのかたまりみたいに見えるけど、実際には見積もりがあって、締切があって、ムービーの写真を選んで、BGMを決めて、親への言葉を考えて、ゲストにどう見えるかも少し気にして、たぶん想像よりずっと生活に近い場所で作られていくものなんだろうなと思います。
白いドレスより先に、パソコンのフォルダ名を「幼少期写真」「学生時代」「ふたりの写真」みたいに分ける夜があるのかもしれないし、彼と「この写真、盛れてないからやめて」と言い合う時間があるのかもしれない。
「いや、私だったら絶対に高校時代の眉毛いじられたくない」
そこだけはかなり強めに思いました。
小さな恥って、人生の節目ほど逃げられない顔で出てくる気がします。
集合写真の端で変なピースをしている自分とか、昔の携帯で撮った妙に画質の粗い写真とか、元気すぎる前髪とか。
でも、プロフィールムービーって、そういう自分を全部きれいに整えて見せるためだけのものではないのかもしれないですね。
見せたくない時代も、ちょっと笑える時代も、あの頃なりに必死だった自分も、誰かと同じ会場で見てもらう。
それを考えると、結婚式のムービーは「幸せです!」の発表というより、「ここまで来るまで、案外いろいろありました」の小さな上映会みたいにも見えてきます。
私だったら、どの写真を選ぶんだろう。
飲食の仕事で足がパンパンになって、帰り道のコンビニで甘いカフェラテを買っていた頃の写真なんて、たぶん残っていない。
美容の仕事で笑顔を作りながら、裏でこっそり深呼吸していた日の写真もない。
婚活で会話が続かなくて、帰宅してメイクを落としながら「今日の私、何を頑張ってたんだろ」と思った夜なんて、誰も撮っていない。
でも、本当はそういう日のほうが、今の自分を作っている気もしてしまう。
きれいな写真だけで流れるムービーを見たら、私はきっと泣くと思う。
でも、きれいじゃない時間を少しだけ想像できるムービーを見たら、もっと泣くかもしれない。
ナナイロウェディングのページには、上映用データは当日の投映機器に合わせてアスペクト比やセーフゾーン、黒画面を設定したmp4データだと書かれていて、そういう細かさを見ると、誰かの「当日ちゃんと流れますように」という祈りみたいなものを感じました。
結婚式の準備って、たぶんロマンだけでは回らない。
カートに入れて、クーポンコードを入力して、注文を確定する。
その事務的な手順の先に、会場が暗くなって、スクリーンが光って、誰かのお母さんがハンカチを出す時間がある。
なんだか、その落差が少し好きです。
私はまだ、自分の結婚式を想像すると、途中で照れてしまいます。
誰に来てもらうんだろうとか、父は泣くのかなとか、そもそも相手はどこで何してるんだろうとか、考える順番がぐちゃぐちゃで、最後には「洗濯物、干さなきゃ」に戻ってくる。
春の終わりの部屋は、窓を少し開けると夜風が入ってきて、部屋干しのタオルがほんの少し揺れます。
4月25日と26日の2日間だけのキャンペーンを見ながら、私はなぜか未来の豪華な式場ではなく、いつか誰かと古い写真を選んでいる自分の手元を想像していました。
その時の私は、今よりちゃんとしているのかな。
それとも、相変わらずヨーグルトのスプーンをシンクに置いたまま、昔の自分の変な前髪に笑っているのかな。
画面を閉じても、白いスクリーンみたいな余韻だけが、しばらく部屋の隅に残っていました。




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